発達障害の人が見ている世界 ADHD ASD を読んだ - 四角いお家に住みたい

発達障害の人が見ている世界 ADHD ASD を読んだ

Youtuber等でADHDであることを表明していることが増えてきたので、ちょっと気になって本書を買ってみました。2022年8月31日発行と新しいにも拘わらずレビュー評価も高かったのが購入の決め手です。

ADHDは「不注意」「多動性・衝動性」がある。忘れ物をしたり、ケアレスミスが多く、マルチタスクも苦手なようです。さらに著者によると自己肯定感が低くなりがちでHSP的であることが多いとのことです。

P14ページの引用:
>衝動的に泣いたり笑ったり怒ったりしてしまう発達障害の特性は、大脳辺縁が過敏になっているか、大脳辺縁系の働きを抑える上位の大脳新皮質の機能が弱いのかもしれません。また、人間の脳は脳幹のレベルでは常に「動け!」というアクセル信号を出していて、大脳の前頭葉がそれを抑えるブレーキの信号を出しています。ADHDの多動傾向は、ブレーキ役の前頭葉の働きが弱いのではないかということも指摘されています。

ASDは「コミュニケーション障害」「同一性の保持」「感覚過敏」がある。空気の読めない人、いつも同じ高度を好む。聴覚、視覚、嗅覚、触覚、味覚の感覚が生活に支障をきたすほど過敏になったり、逆に感覚鈍麻(かんかくどま)の人もいるとのこと。

P14ページの引用:
>島皮質は、今の自分は悲しいのか、うれしいのかなど、感情をモニタリングする働きを持っています。ASDの人はこうした力が弱いため、自分の感情を顔に出したり、言葉にして表現したりすることが、うまくできないようなのです。これらの脳機能の先天的な偏りは病気ではなく、あくまで”特性”。

以下に気になった情報を箇条書きにしてみます。
・発達障害の人は聴覚情報が苦手なので、視覚情報が優位になる傾向がある。絵やパワポを見せながら話すのが良い。
・優先順位付けるのが苦手。中には約束は覚えているが、行為に守らずに自分の気持ちを優先してしまう。重要なタスクは付箋に書いて渡すと効果的。
・ASDの場合、心地よくいられる”自分の世界”のようなものが頭の中にあり、少しでも苦痛な話をされると、すぐに自分の世界へ逃避してしまうことがある。周囲からはぼーっとしているように見える。子供相手の場合は好きな物を話に混ぜてあげることで興味を持ってもらえる。電車好きな子供なら電車イラスト入りの水筒を洗車したいからキッチンのシンクに置いといて等と伝えると聞いてもらいやすくなる。
・ASDの人は抽象的な表現は使わない。その辺片づけてでは通じない。ここからここまで片付けると具体的に伝える。
・ADHDの衝動性は、気分が態度に直結しやすい。周りからは豹変しているように思える。瞬間的に爆発するが、そこまで長引かないことも多い。
・ASDの人は、空気が読めないので、協調性がなく見えることがある。論理的に説明するのが良い。
・子供の頃から親や先生から怒られる、人ともめる、失敗が多いので、自己評価が低いことがある。否定せず、心からの共感が大切。書き出してリスト化してもらうことも効果的。
・新しい場所やいつもと違うことが起こると強い不安感や緊張感を抱きやすい傾向がある。新しい場所に行く場合には事前に告知する。少しずつ慣れさせる。飛行機は嫌いなどのNGリストを作ってもらう。
・感情を表すのが下手なことがある。悲しいことを淡々と話すときに悲しい表情ができない。子供相手の場合は本人の気持ちを代弁する。大袈裟に感情を見せてあげる。
・発達障害による二次障害が起こる。パニック障害、うつ病、睡眠障害など。
・ADHDの子供はじっとさせるのではなく、犬の散歩、窓ふき、プリント配りなどの体を動かす時間を作ってあげる。食事の場合は一定時間ごとに歩いて良い事にする。
・ミスが多いのは自分でも自覚している。ミスしがちなポイントを明確化させると共にチェックシートを作成して毎回確認させるようにする。
発達性協調運動症(DCD)というものがある。体の複数の部位を強調させるのが苦手。ジャングルジムやブランコ、箱の中から白いボタンを探すゲームなどの遊びながらできる訓練させると良い。
・滑り台などの順番待ちができない。紙芝居で説明してあげて、ちゃんと並べた時は褒めてあげる。
・ADHDの人は、新しい物の刺激に弾かれ、興味関心が次々と移りやすい”新奇追求”という傾向を持っている。ギャンブルやお酒の瞬間的な高揚感にはまりがち。
・やるべきことを後回しになりがち。ASDの人には優先順位を明示してあげる。ADHDの人には集中できる環境が必要。
・ASDの人は効率が悪いと言われる。議事録作るのに重要なポイントだけ選んで書き出すことができない。契約書、製品マニュアル、などの校正は得意なはず。
・ASDの人たちは1年後も10年後もいつまでも、今この瞬間と同じ状態が続くという感覚のもとに生き、変わらないと信じることで心を安定させていることがある。異なる仕事をしてもらうのではなく、その分野のプロフェッショナルになってもらうのが望ましい。
・ネットゲームにはまり込んで、寝食を忘れてゲームばかりする人もいる。発達障害の人はセーブできない。一緒にスケジュールを作り、応援する気持ちで妥協点を探る。
・感覚過敏により、不快に感じる食べ物が多い。いちごの粒粒が怖い、味が濃すぎる、揚げ物は口の中でチクチクする。嫌いな食べ物をリストアップしてなんで嫌いなのかを確認する。いちごの粒粒が怖いなら潰してから食べさせる。
・電車の音が怖い場合はヘッドホンや耳栓などの対策をする。事前に電車に乗ることを説明するなどが大切。
・遅刻は見積り能力の低さのせい。一緒に見積してあげる。割り込み入るとそちらを優先してしまうかも。
・お風呂に入りたがらないのはシャワーが痛い、お湯が顔に当たるのが嫌いなど。お風呂を楽しめるように湯舟におもちゃを浮かべるなどするとよい。
・ADHDは注意散漫で別の物に気が取られてしまう。ASDは優先順位つけるのが下手なのでため込んでしまう。1日1か所片付ける、ブロックごとに片付けるなどの工夫が必要。
・聴覚過敏の人は耳に入る音がすべて同じ比重で聞こえてしまうので、会話や仕事に集中できない。静かな場所を用意するノイズキャンセリングを用意する、電話を置かないなどの対策が考えられる。
・1/20がADHD、1/100がASD。
・ASDに向いている仕事、細かいデータ分析、大量の資料を読む、俯瞰した立場で論理的に考えられる仕事、芸術の世界での仕事。
・ADHDに向いている仕事、新しいマーケット探し、クリエイティブな仕事。
・ニトリホールディングス会長の似鳥昭雄さんは70歳を過ぎてからADHDと診断された。勝間和代さん、楽天の三木谷、テスラのイーロンマスクさんなども発達障害的な傾向を持つことを口にされた方も少なくない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です